沿革
藤壺技研工業の創業者である藤壺勇が1931年(昭和6年)に福岡市博多区で、前進となる藤壷モータースを立ち上げた。1937年(昭和12年)に日中戦争が開始されると、弟の勝が召集を受け、陸軍の第14師団に配属された。軍用車輌の整備や、三笠宮の警護などが任務であった。藤壷モータースには、多くの軍関係の仕事を請けていた。1945年(昭和20年)の福岡大空襲で、工場も被害を受けたが、機械工具は敷地内に埋めていたため、焼夷弾攻撃による熱風被害を受けなかった。弟の勝はこの年に復員し、以前のように兄弟で整備事業を行うようになった。
1949年(昭和24年)にオートバイ「イーグル号」の製造販売に取り掛かり、400台程が販売された。1951年(昭和26年)に、兄の勇は神奈川県横浜市に移り、1955年(昭和30年)に藤壺技研工業を設立した。福岡の藤壷モータースはその後、名称を藤壺自動車工業と改め、弟の藤壷勝が引き継ぐことになり、今日に至る。